学力10代>30代

国語に関する世論調査

文化庁が毎年行っている「国語に関する世論調査」ですが、昨年の夏頃に平成15年度の結果が公表されていました。学力の低下が指摘されますねぇと、報道されていたので、嗚呼そうなんだね…と思っていたのですが…騙されました。
右上のグラフは、今回調査が行われた語句の意味などの問題の正答率を積み立てグラフにしたものです。一番左が10代、一番右が60代以上で、その中間は20代・30代・40代・50代になっています。こうしてみた時に、一番正答率が高いのが60代以上、2番目は10代となっているのが分かると思います。一番正答率が低いのは30代…。学力が低下しているのは30代です!(違)
今日、NHKことばおじさんが、『「取り付く島がない」を「取り付く暇がない」と誤って覚えている人が一番多いのは50代だ』と言っていたのを聞いて、嘘!?と思いつつ調べたら、こういう結果でした。ちなみに、対象の語句は次の通りです。

  • 赤:的を射る("的を得る"と二択)
    • 正答率1位60代:最下位30代
  • 緑:押しも押されもせぬ("押しも押されぬ"と二択)
    • 50代:20代
  • 水:取り付く島がない("取り付く暇がない"と二択)
    • 40代:10代
  • 黄:憮然(意味を問う)
    • 10代:50代
  • 黒:姑息(意味を問う)
    • 40代:20代
  • 青:檄を飛ばす(意味を問う)
    • 10代:30代

詳しい数字は、文化庁のWEBサイトに掲載されていますので実際に見て確認してみてください。
http://www.bunka.go.jp/1kokugo/15_yoron.html
素直に読めば、学校を卒業する時に高く維持されていた学力は20年程の時間をかけて、どんどんと低下していった後、再び向上していく…と。この現象は一体…。学校教育不要なんじゃない?(汗)

『森氏発言:ゲームで自閉症になる』

All Aboutの記事によりますと、「ゲームをするとゲーム脳*1になる」という見解で有名な日本大学文理学部森昭雄教授(脳神経科学)ですが、小学校で行われた講演で、「テレビゲームが原因で自閉症になる」「最近、自閉症の発症率が100人に1人と増えているのは、ゲームのせい。先天的な自閉症の数は変わらないので、増えた分はゲーム脳による後天的自閉症だ」と発言したということです。
http://allabout.co.jp/game/gamenews/closeup/CU20050201A/index.htm
これに対し、記事を書いた人が日本自閉症協会東京都支部に問い合わせたところ、水田様という人から次のような返答があったということです。森教授は、特に何も意識することなくこの様な発言をされたと思うのですが、自閉症の方に与える影響は並のものではないと思い、以下、水田様のメールとされる内容を、僭越ながら転載させて頂きます。

 このような説を伺うのは、初めてでございます。
 自閉症にしっかりかかわっている関係者なら、信憑性があると受け止める者はいないと思われます。
 これまでもTVの見せすぎが後天的に自閉症を作ると発言された方がおられ、私どものサイトのトピックスのページ(http://www.autism.jp/k-00.htm)には、【テレビ視聴と自閉症】というタイトルで、このことについての各方面の見解をまとめて掲載しております。
 このたびは、「ゲームが・・・・」という説がでたかと、非常に残念で、悲しい気がいたしております。
 大学教授という職にある方が発言されると、その方のみの意見であっても、まるでその方面の専門家から認知されている説のように、世間に受け止められやすいですね。
 不用意な発言が、どれほどの当該障害児・者とその家族を傷つけることになるかを、お考えになってほしいものだと思います。

教授がご自身の見解を述べるのは当然のことですし、非難するようなことではないと思いますが、もし本当に先ほどのようなことを述べたのだとすれば、森教授の発言はあまりに軽率だと思います。とりあえず、確認を取ります…。
日本自閉症協会東京都支部
教授発言のソースはこちら。http://members.jcom.home.ne.jp/take-yabu/tomogamebrain.html

*1:脳の活動状態を表す脳波のβ波が、前頭前野からはほとんど出ていない状態で、キレやすい状態だという