アメリカでハリケーン「Katrina(カトリーナ)」大災害の模様

イラクで31日に多くの民衆がパニックになってティグリス川に落ちた事件では、965人の死亡が確認され、日本のマスコミでは「約1000人死亡」として報じていますが、8月29日に超大型のハリケーンカトリーナ」が通過したアメリカ南部のルイジアナ州ミシシッピ州では、数千人の死者が出ている模様だということです。これを書いている時点で4日目ですが、被害の実態は未だ不明です。1992年にはハリケーン「Andrew(アンドリュー)」が損害保険支払額155億ドル(現在の価値で209億ドル)と43人の犠牲者を出し「過去最大被害」と称されていますが、この被害を上まわることは必至です。当時、アメリカの大統領であった、ジョージ・ハーバート・ウォーカー・ブッシュ大統領(George Herbert Walker Bush)*1は「アンドリュー」への対応の遅れに批判が集中し選挙に影響したということで、イラク政策の失敗で支持率が過去最低の40%に落ち込んでいる現ブッシュ政権の対応が気になるところです(当分、選挙はありませんけれど)。推計通りだとすれば1900年にテキサス州を襲い死者6,000〜12,000人を出したハリケーン以来の災害になるということです。気象観測技術の向上で影響が予測できる現在…これだけの死者を出した時点で、もう遅いと思いますが。
というわけで、注目される対応はこんな感じ。現地では貧困層の住民が避難できなかったために大勢の被災者が出ているほか、強盗や強奪が相次ぐなど治安が極めて悪化しているということです。…どうせ、お店を開けられないし、売り物も水につかるなどして売れないのですから、食べ物や飲料に困っている住民にタダでくれても誰も迷惑はしないと思いますが、…駄目らしい。ちなみに銃のお店も強奪にあって、治安の悪化に拍車を掛けているということです。…被災者ではありますが、それもどうかと思います。

  • 政府(各省庁)
    • ブッシュ大統領、閣僚級の対策本部を設置、米国土安全保障省のチャートフ長官が指揮
    • ブッシュ大統領、公衆衛生緊急事態を宣言
    • ブッシュ大統領「奪行為であれ、ガソリンの便乗値上げであれ、非常時の違法行為を容認することはできない」海外諸国に支援を求めることはない
    • 対策本部、生活関連物資・テント・防水シートを1700台のトレーラートラックで輸送
    • ブッシュ大統領声明
      1. 人命救助
      2. 被災者への水・食料供給など生活支援
      3. 電気や道路など包括的な復旧支援
    • 父ブッシュ元大統領へ義援金集め要請予定
    • 米連邦緊急事態管理局(FEMA)が1000人規模のチームを派遣。医療支援チーム50以上、調査チーム約25。
  • 米軍部隊
    • 治安活動のため州兵1万人の増派(約3万人に)
    • 国防総省ミシシッピ州キャンプ・シェルビーに4軍統合タスク・フォース設置。
    • ヘリコプター搭載の強襲揚陸艦バターン・大型病院船コンフォートをメキシコ湾に派遣
    • 週末に水・食糧・医薬品を積んだ強襲揚陸艦イオウジマなど4隻が現地に到着
  • 地元
    • ニューオーリンズ市ネーギン市長、市警警察官1500人に被災者の救援作業を中断し、市内での略奪行為取り締まりにあたるよう命令。
  • 経済政策
    • 石油

*1:現ジョージ・ウォーカー・ブッシュ大統領(George Walker Bush)の父