ミネルバ、消息を絶つ

知恵・工芸・戦争の神アテナと同一視される女神ミネルバ、テレビアニメ「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」では宇宙戦艦の名前として登場していますが、今回は小惑星探査機「はやぶさMUSES-C)」に搭載されている小型ロボットの話しです。
2003年5月9日13時29分25秒にM5ロケットで打ち上げられた小惑星探査機はやぶさは現在、日本の研究者の名前が付けられた小惑星イトカワ(25143 Itokawa)」から数キロの位置にいます。 11月12日15時40分、小型ローバ・ミネルバを地表から200mの距離で本体から放出したことを確認したそうですが、本来なら地表から60m程度の距離で分離する必要があり、残念ながらイトカワには降りることができなかったようです。
はやぶさは現在、姿勢制御装置が故障しているために、化学エンジンを利用してバランスをとっています。そのため、姿勢がぎくしゃくしています。また、分離作業は地上管制センターを介して行われたため、十数分の時間的なブランクが発生し、その間に高度を保つために位置が変わってしまったと考えられます。ただ、ミネルバとの通信は現在も保たれており、イトカワの付近には、まだあるようです。
今後、はやぶさは2005年11月19日と、25日にイトカワに着地して試料を採取、2007年に地球に帰還する予定です。

  • 見出一覧
  • 朝日新聞
    • 探査機「はやぶさ」、小型探査ロボットを投下
    • 探査機「はやぶさ」、投下したロボットが行方不明
    • 小型探査ロボット「ミネルバ」 依然不明
      • やっぱり、朝日新聞の見出しが一番分かりやすくて好きです。「観測ロボ」「探査ロボ」って言われても、どこの観測をするのか分かりませんし、「小惑星への着陸失敗」という見出しが付いたらはやぶさが失敗したみたいです。「軌道外れる?」は適切な表現ではないと思うし。
      • 何より、内容が詳しいのが良いです。JAXAのプレスリリースと合わせてみると大変分かりやすくてグッド。経過を追って、記事も更新されますし。
  • 日経新聞
    • 探査機「はやぶさ」、小惑星に観測機投下も未達の可能性
      • 特に不満はありませんが、こういう場合は「可能性」ではなく「恐れ」が適切かな…と。記事の内容も端的で秀逸です。
  • 共同通信
    • 観測ロボの着地失敗か 探査機本体19日着陸へ
      • 意外と成功してることを願います。
  • 時事通信
    • 小惑星への着陸、失敗濃厚=日本初の探査ロボット−宇宙機構
      • 日本初の探査ロボと書くとカッコイイですね…でも、「失敗濃厚」ってそんな強烈な表現を使わなくても(汗
  • 読売新聞
    • 小惑星探査ロボット行方不明、軌道外れる?
      • 起動外れる…というか、投下して重力に捕まってもらう仕組みなので…。

ちなみに、ミネルバは、10cmの筒状で重さは600g。地表をジャンプしながら移動し、表面をカメラで撮影するほか、温度を計測する予定でした。