H2A10号機、本日午後1時35分に打ち上げ予定

事実上の偵察衛星である日本政府の情報収集衛星を載せたH2A10号機は、本日午後1時35分に鹿児島県の種子島宇宙センターから、宇宙航空研究開発機構JAXA)によって打ち上げられる予定です。
種子島ライブカメラ

2003年11月29日13時33分に種子島宇宙センターから情報収集衛星2基を載せて飛び立ったH-IIAロケット6号機は、ブースターの切り離しに失敗し、衛星を軌道に投入することができませんでした。政府は偵察衛星を4基体制で運用し、地球上のあらゆる箇所を1日に1回以上観測できるようにする予定です。現在は、2003年3月28日10時27分に種子島宇宙センターからH2Aロケット5号機で打ち上げられた情報収集衛星1号Aレーダー衛星(IGS-1A)と情報収集衛星1号B光学衛星(IGS-1B)が2基1組体制で運用されており、地球上のあらゆる箇所を2日に1回は観測できる状態です。今回打ち上げられるのは光学衛星で、今年度中(来年の1〜2月にも)レーダー衛星が打ち上げられる予定です。衛星から得られたデータは内閣情報調査室の内閣衛星情報センターで解析されることになっています。
情報収集衛星の導入は1998年8月31日に北朝鮮がミサイル「テポドン」を発射し、日本上空を通過した事態が発端になっています。発射日本政府は宇宙開発を平和目的に限定するとしていますが、事実上の偵察衛星の打ち上げは平和目的ではないのではないかという批判もあります。情報収集衛星の性能は、レーダー衛星が解像度は約1〜3m、光学衛星は最大分解能1m(カラー時は5m)と言われていますが、一部報道では性能はこれより劣るとしています。H2Aロケット5号機で打ち上げられた情報収集衛星の軌道については、内閣府の担当者が公開しないよう要請する必要があることを知らなかったそうで、打ち上げから数日間公開され、個人であっても何時何分に撮影されるか分かる状態になっています。
なお、セキュリティー上の問題があるとして、打ち上げに関する詳しい情報は公開されていません。インターネット中継なども行われないということです。ちなみに情報収集衛星の打ち上げには、衛星の製造や打ち上げまで合わせて、およそ1,000億円の費用がかかると言われています。H2Aロケット6号機の打ち上げ失敗で2基1組で打ち上げた所、衛星を同時に2基失う結果になったために、今回はリスクを分散させるために別々に打ち上げることになりました。H2Aロケットは2001年8月29日以来、試験機を含め9機が打ち上げられていますが、ロケットの問題で打ち上げが失敗したのは6号機のみとなっています。(試験機2号機で衛星側の問題で分離に失敗しています。)



H2Aロケット10号機の打ち上げは、発射台付近で雷雲が発生し、ロケットに落雷がある可能性があったために延期され、明日2006年9月11日午後1時35分に発射される予定です。