JIS2004字形とInDesignの字形切替

コンピュータで表示される文字の形(字形/文字の種類は同じだが、書き方が異なるもの。)はJIS規格で規定され、これまでにJIS78字形=旧JIS(JIS C 6226、写研の石井明朝体)・JIS83字形=新JIS/JIS90字形/JIS97字形(JIS X 0208、平成明朝体)・JIS2004字形(JIS X 0213)の3種類が存在します。
Adobe InDesign CSでは、スタイルの切替でJIS78字形・JIS83字形・印刷標準字形の切替が可能です。というわけで、手持ちのフォント(バージョン未確認)で上手く切り替わるか確認してみました。例文は「葛飾の餅の噂に逢う」です。

  • メイリオ
    • メイリオは標準字形がJIS2004字形です。JIS83字形に変換させたところ、パソコン表示用の字形に変換されました。
  • モリサワOpenType基本7書体+新ゴU
    • 標準字形はJIS83です。「印刷標準字形」には対応していませんでした。JIS78字形に変換すると概ね期待した文字が表示されました(たまたま期待した字形になっただけ)。「エキスパート字形」に変換すると、「逢」の“しんにょう”が1点になりました。
  • 小塚明朝Pro
  • イワタ新聞明朝Pro

InDesignのバージョンはCS(Windows版)、フォントのバージョンは確認していないので、別の環境だと、もっと好ましい結果が出るかも知れません。さしあたりInDesignCS3に期待してみる。なお、DynaFontのWEBサイトを見ると、DynaFontのOpenType製品は旧字体・エキスパート字形・JIS78字形・JIS83字形等異体字置き換えに対応しているとのこと。
字形について分かりやすい記事があったのでご紹介。

OpenTypeにはjp78、jp83、jp90、hojo、jp04というタグがついているのだとか。実際に文字画像も準備されていて分かりやすいです。早くJIS2004字形に統一しちゃった方が安全じゃん!とまとめていらっしゃいます。
メイリオ・MSゴシック・MS明朝など、JIS90字形とJIS2004字形のフォントが混じって使われているフォントを使わないようにするというのもありかも知れませんね。
…個人的には字形が変わったからといって、気にされる人がどれ程いるのか気になります。