自衛隊機密情報流出事件、原因は同寮内のファイル交換

2007年3月30日に、海上自衛隊第1護衛隊群の護衛艦「しらね」乗組員の2等海曹(33)が最も機密性が高い「特別防衛秘密」が入ったハードディスクを自宅に持ち帰っており捜査当局が米相互防衛援助協定等に伴う秘密保護法に違反する疑いもあるとみて捜査しているという報道がありました。
その後の報道によりますと、流出したのはイージスシステムの保守管理を担当していた40歳代の3等海佐が、1998年に新システムの性能などを海自幹部らに解説するための内部資料である可能性が高く、市販されている会議発表用資料作成ソフト(パワーポイント?)で作成したファイルであったと言うことです。

海上自衛隊の階級

  • 将官海将海将補)
    • 佐官(一等海佐〜三等海佐)←ファイルを作った人はココ。警察で言えば警部に相当。
      • 尉官(一等海尉〜三等海尉
        • 准尉(准海尉
          • 曹・士(海曹長〜三等海曹、海士長〜三等海士)←問題が発覚したのはココ。警察で言えば巡査部長。

約800ページ分の情報の中には、イージス艦の構造図面や高性能レーダー「イージスシステム」に関する数値など極めて秘匿性の高い情報や、最も秘匿性の高い「特別防衛秘密」(特防秘)も含まれ、「日米相互防衛援助協定等に伴う秘密保護法」に違反する可能性が高いようです。
最初に問題が発覚したとき、2等海曹の妻が中国人だったということで、当初はスパイ目的を匂わすような報道もありましたが、2等海曹には特防秘の情報に接する権限はなく、流出経路の解明が待たれていましたが、最近の報道によると、2等海曹に特防秘の情報を持ち出す意図はなく、同僚らの間で交換されていた「ゲームや猥褻画像のデータ」をコピーして持ち帰ったところ、特防秘の情報が混入していたということだったようです。
捜査当局の調べでは問題の2等海曹以外にも、これらの機密情報やエッチ画像の入ったデータを所有している隊員が居たそうです。