温泉施設で大規模な爆発事故

2007年6月19日午後2時30分頃、東京都渋谷区松濤1町目にある女性専用で日本最大級の高級温泉施設「シエスパ」の別館にて大規模な爆発事故がありました。別館は従業員の更衣室等があったと言うことで、午後5時現在5名のけが人が救出され、うち女性1人の死亡が確認されています。建物は骨組みだけを残し吹き飛んでおり、火災は起きていません。報道ではボイラー室で爆発が起きたとか、掘削を行っており天然ガスに引火したなどと伝えています。
シエスパ本館

公式WEBサイト
シエスパSHIESPA)は、著名人が居宅を構える高級住宅街として知られる渋谷区松濤に位置し、2006年1月19日に開店した女性専用の天然温泉のスパ(温泉施設)です。本館は地下1階〜9階。入会費はカード発行費用が525円、入館料は2,880円(2,600円+消費税+入湯税*1、泉質はナトリウムー塩化物強塩温泉(高張性・弱アルカリ性)で(以上AllAboutの記事より)、露天風呂やサウナ、各種の浴室があるほか、ラウンジやマッサージ施設等もあるようです。
午後10時現在、従業員の女性3人の死亡が確認されました。別棟は地下1階、地上1階の構造で、地下1階には地中から温泉をくみ上げるモーターとタンクが、地上1階には従業員用の休憩室兼更衣室があったということです。ちなみにボイラーは本館の方にあったと言うことです。温泉をくみ上げる際に発生する天然ガスが充満したのが爆発の原因であるようです。シエスパを運営するユニマットビューティーアンドスパの親会社であるユニマットコスモの西田隆司取締役が5時20分から記者会見を行い、午後8時50分過ぎにはユニマットビューティーアンドスパの宮田春美社長が会見を開き謝罪しました。会見では機器の管理について保守会社に委託していたと言うことです。
翌2007年6月20日、地下1500メートルからくみ上げられた温泉はガスセパレーターを利用して水とガスに分離し、分離したガスは換気扇などで屋外に排気していたが、天然ガスの検知機等は設置していなかったことが明らかになりました。現場を含む関東地方南部の地下には「南関東ガス田」が広がっており、大量の天然ガスが埋蔵されていると言うことです。天然ガスは無味・無臭で透明なため気付きにくいと言うことです。

日立ビルシステムhttp://www.hbs.co.jp/)「当社の不備で爆発が起こったとは考えにくい」「情報収集中で詳しいことは分からない」(時事通信)―温泉の受水槽、排水槽、濾過装置を担当
サングー(http://www.sangu.co.jp/)「爆発にかかわるような仕事はしていない」(時事通信)―温泉くみ上げ機器の保守管理を請け負う

捜査本部ではシエスパを運営するユニマットビューティーアンドスパや、施行を担当した大成建設、貯水槽などの保守管理を担当している日立ビルシステム、保守管理の下請けをしているサングーなどを業務上過失致死傷の疑いで家宅捜索しました。また、2007年6月21日には、たまたま通行中に爆発に巻き込まれ全治一ヶ月程度の軽傷と診断されていた男性の容体が悪化し意識不明の重体になったと発表されました。

石原慎太郎東京都知事「新たな事件が起こればチェックする手を講じないといけない。都がやらなきゃいけないと思う」(時事通信20日に記者団に対し発言)

*1:深夜料金+1,995円