最新の加速器稼働、ヒッグス粒子発見へ

2008年9月11日、欧州原子核研究機構(CERN)がスイスのジュネーブ郊外(一部は国境をまたいでフランス)に建設した大型ハドロン衝突型加速器LHC)が稼働しました。陽子同士を光速に近い速さまで加速し衝突させることで、今までの加速器ではエネルギー不足で発生させることができなかった、重力の元となっている未発見の粒子「ヒッグス粒子」を発生させることができると期待されています。また、現在の宇宙理論で存在が予言されている超対称性粒子の発見や、余剰次元の検証など、様々な成果が期待されています。実験の結果から、宇宙の仕組みがより深く分かると期待されています。
なお、LHCで行われる実験により、瞬間的に極端に重力の強い領域(ブラックホール)が発生すると考えられています。このブラックホールはあまりに小さいので、一瞬で蒸発してしまうと考えられています。自然現象でもLHCで行われる実験より高いエネルギーが発生しており、ブラックホールが消滅しないことは考えづらいとされています。ただ、英国王立協会の王立天文台長が、ブラックホールが消滅することなく地球を飲み込む確率を5000万分の1としています。実際どうなるかは、やってみないと誰も分からないので(ブラックホールが発生しない可能性も大いにあります)、間違いがないことを願っています。