イラクで拘束の韓国人殺害

先日イラクで拘束された韓国人の男性、金鮮一(キム・ソンイル)さん(33)が、首を切られ殺害されました。米軍が金さんの遺体を発見し、韓国政府が確認しました。韓国政府が21日午後5時(日本時間21日午後10時)に発表したということです。金さんは、米軍に物資を納入する貿易会社の通訳として昨年の6月からイラクで働いていたということです。犯人は20日午後11時(日本時間21日午前5時)、韓国軍の撤退を要求し、声明から24時間以内に行動を起こさないと金さんを殺すと警告していました。
韓国は現在、軍隊をイラクに派遣しており、事件発覚の直前に、計3,660人規模の派兵を決定しています。これは、米英に次ぎ、三番目に多い人数だということです。今回の件につき韓国政府は派兵に変更はないとしていますが、韓国の世論は厳しいようです。韓国のテレビなどは、悲嘆にくれる遺族の様子などを放送しています。亡くなった金鮮一さんのご冥福を、心よりお祈り申し上げます。
イラクでは20日に、米軍が住宅地を空爆し、20人以上の人が亡くなっています。20日までの3日間では実に60人以上の民間人が死んでいます。また、6月末の主権移譲を前に、治安は悪化し米兵などが襲撃される事件などが相次いでいます。
アメリカはテロとの戦いであると主張していますが、イラク攻撃の根拠となった大量破壊兵器は無かった可能性が高くなり、フセイン元大統領とアルカイダも関係が無かったことが明らかになってきました。(いずれも米政府の発表に因ります。)複数のメディアで死亡が報道されたイラクの民間人の数をカウントしているIraq Body Countでは、現時点で11317人の民間人が死亡していると集計しており、毎日数十人単位でイラク人が死んでいる計算になります。