科学技術振興機構、子どもの脳を調査

29日、独立行政法人科学技術振興機構(文部科学省所管)は、MRI光トポグラフィーを利用して、0歳と5歳児の脳、1万人分を5年間に渡り追跡調査すると発表しました。
MRIは磁気共鳴を利用して、人体の様子を高精細な静止画に映し出す技術、光トポグラフィーは近赤外線を体内に透過させた光を測定し脳内の活動を動的に測定する技術です。いずれも人体への影響が少ないとされ、これにより脳の研究が飛躍的に発展しました。ちなみに、光トポグラフィーは日本発の技術だそうです。
読売新聞によれば、問題行動を起こす子どもの脳を調査して、その原因を突き止めるための研究だそうです。でも、その原因を突き止めるためには、以前の子ども達の脳の発達も調べないといけないから、5年の調査じゃ駄目ですよね〜、何弾かあるうちの第一弾でしょうか?等と思い、ソースを見てみたらこんな感じでした。

読売新聞
ここ数年、ささいなことですぐに「キレる」子供が増え、少年犯罪の増加などにつながっていると言われる。テレビやゲーム、インターネットの普及、ストレスの増大、少子化などとの関連が指摘されているが、はっきりした因果関係は分かっていない。(中略)家庭環境の違いや地域差、男女差なども詳しく分析。問題行動を起こす子供の脳の特徴や、その原因などを突き止めるのが目標だ。
共同通信
他人のことを思いやり、人とうまく付き合う社会性を子供が身につける過程を脳研究で明らかにしようと、(以下略)発達が遅れ気味の子供と、そうでない子供を少数ずつ選び、磁気共鳴画像装置や近赤外線を使った装置で脳機能を調べて比較、脳が働く部位に違いがあるのか調査する。
科学技術振興機構発表
社会能力の神経基盤及び発達期における獲得過程について解明することを目的とする。「社会生活をおくるために必要な能力がどう獲得されるのか調べ、教育や生活環境の改善に役立てたい」

読売新聞に苦情を言って宜しいでしょうか?明らかに偏向してますよ、偏向。子ども達の発達の過程をより詳しく調べようと言う趣旨が、いつの間にか、問題児の機能的な欠陥を調べようと言う趣旨に偏向されていますよ。だいたい、読売新聞は記事のタイトルからして扇動的です。
「キレる子供の脳には特徴?1万人追跡調査へ」
子ども好き、心理学好きとして言わせて頂きます〜、読売新聞!日本の子ども達を駄目にしたくなければ、こういう内容を偏向した記事を載せるのはやめい。朝日新聞以上に自虐的じゃぁ。何か、最近の子ども達には問題があるから、とりあえず批判しないといけない気がする…と、そういう気持ちを持つのは分かります。一部の子ども達に気質的な欠陥があり、その原因を排斥すれば事態が好転しキレる子どもを隔離することができるという幻想を抱きたくなる気持ちも分かります。ですが、10回誉めて1回叱るが基本です。趣旨をゆがめてまで自分たちの偏向思想をおおっぴらにするのは止めた方が良いと思います。
科学技術振興機構 http://www.jst.go.jp/