イラク米関係者1000人突破

マクレラン米大統領報道官は、米兵の死者が997人・国防省関係者3人の米関係者計1,000人がイラクで犠牲になったと話したということです。9月中には1000人を越すのは確実な情勢です。
8月の死者数は66人で、負傷者は1112人で負傷者の数は過去最高だったということです。(死者数は4月の135人が最高)。
イラク戦争を指揮したフランクス前米中央軍司令官は「イラクでの大規模戦闘の終結宣言」を現ブッシュ大統領に進言したことを誤りだったと認め、「大統領は私が進言した通りに話しただけ」「軍事作戦の段階をできるだけ早く終わらせたかった」と説明しました。
秋の大統領選挙に向けて現役の共和党ブッシュ大統領民主党のケリー候補が接戦を繰り広げていますが、現在の世論調査ではブッシュ大統領が若干有利と出ています。ニューヨーク市立大学バルーチ・カレッジのデビッド・バードセル教授(政治学)は米兵の死者数が1,000人を超せば、ブッシュ陣営に重大な局面を迎えるとの見方を示しました。
現在もイラクでは、特にイスラムシーア派の反米強行派の指導者サドル師の民兵組織との間で激しい戦闘が続いており、未だに治安は回復していない様子です。また開戦の根拠とされた大量破壊兵器についても未だ見つかっていません。共和党大会ではテロとの戦いとその成果を強調していますが、実際にはテロが減少していないことは火を見るより明らかだと思います。イラク・ボディー・カウントによりますと、イラク人の死者は13,802名にも昇ります。これは複数のメディア(主に欧米のメディア)で報道された死者の数をカウントしたものであり、実際にはこの何倍もの死者があると推測されます。
フセイン元大統領の独裁政権が倒れたり、米英がイラクの石油利権や復興特需の利権を手に入れるなどしていくらかの成果があったと思われますが、国際法を無視して先制的自衛権(というか専制自衛権)を行使して開戦したのに見合うだけの成果があったでしょうか?
英がイラクをおかしな国にして宗教・民族的な混乱を引き起こし、米がそれをいいように利用してフセイン政権を擁立、その後反イスラムを掲げて打倒フセイン政権…。米国民はこれをどこまで理解しているのでしょう?