H2Aロケット7号機打ち上げ延期へ

宇宙科学研究所航空宇宙技術研究所宇宙開発事業団が統合して、宇宙航空研究開発機構になったのですが、まだすらすらと言えません。さて、日本の主力ロケットH2Aの打ち上げ予定が平成17年2月24日(木)に予定されていましたが、26日以降に延期されました。これは、26日に種子島宇宙センター付近に低気圧が通り天候の悪化が予想されるためです。

今度打ち上げられるH2Aロケット7号機では、運輸多目的衛星新1号(MTSAT-1R)が打ち上げられる予定です。この衛星は、航空管制と気象観測の二種類の業務を行うために作られた衛星で、この衛星が打ち上げられることにより次のような恩恵を享受できます。

  1. 航空機運行上の安全性向上
  2. 管制処理能力の向上による便数UP
  3. 気象情報の観測
  4. アジア諸外国への気象データの提供(津波情報などを含む)

打ち上げには、およそ200億円がかかると言われています(うちH2A本体の価格は約80億円)。先日打ち上げられた情報収集衛星(スパイ衛星)は1000億円しましたが、残念なことに2回中1回の打ち上げに失敗してしまいました(5号機に乗せたのが成功で、6号機は失敗)。アメリカの民間の衛星より解像度の低く、軌道もばれている衛星(スパイ衛星の場合、軌道がばれているといつ撮影されるのかバレバレなので、全く意味がないのです)の為に1000億円のお金を出すのは無駄遣いだと思いますが、今回のMTSATで得られる利益は、…勘定のしようがありませんが…、5〜6回打ち上げに失敗しても十分得られると思います(少なくても1000億円ぐらいの利益はあるのではないか、ということですね)。
ちなみに、ミサイル防衛には8000億円〜1兆円、米国の進めている次世代ミサイル防衛に参加することになれば、6兆円の資金が必要になると試算されています。軍事関係に詳しい人なら、H2Aロケットがどんなにコストパフォーマンスの高いものか、すぐに理解できると思います。某国の大陸弾道弾1発と大差ないお値段です。
H2A6号機は、もともと問題の多かった機体ですので失敗するような気がしていたのですが、H2A7号機は今のところ、そういう話も聞いていませんし、万全を期しての打ち上げでありますから、…しかも運輸多目的衛星の2回目の打ち上げでありますから…是非とも成功してもらいたいと思います。気象衛星が無くなると、本当に大変なことになるのです…。