「郵政民営化」について考える

民営化によってサービスが良くなるという。願ったりだ。
NTTは窓口が減り地方では未だにISDN、JRは存続を危ぶまれながら採算のとれない第三セクターに変わっていく。塩の供給には問題がないが、JTは今月、たばこ需要の減少のためか社員3分の1が退職することになった。
自由競争による価格の低下とサービスの向上が民営化の利点だが、郵便事業は縮小すると政府が認めた。そもそも採算事業ではないのに、民営化したところで、競争が起こるはずがない。実質的に他社の参入も認めていない。
郵便局の配置も合理化を進めるとしている。郵便のユニバーサルサービスは維持するとし、貯金や保険も当面は現行のサービスを維持するということになった。政府が2月10日になって方針を変えたのであるが、良い傾向である。ただし、向こう10年間に限った話である。自民党内では依然、完全民営化後にサービスを受けられなくなるとの懸念が強い。
通信業界では情報通信が活発になりIPなど新しい技術が実用化されたことなどから通話料金を大幅に下げることが可能になった。また、ソフトバンクなどインターネット接続用の回線事業では競争が活発だ。サービスが良くなるのであれば、規制緩和や民営化は大賛成だ。しかし、郵政民営化がサービスの向上につながるのかは、甚だ疑問だ。