差別について考える

今、メディア規制3法のひとつ、「人権擁護法案」が審議されています。これは、「人権侵害」を定義せず、国民・非国民すべてから何らかの不明な手段を用いて人権侵害を観察する人を集め、人権を侵害しているケースが見つかった場合には家宅捜索などの強制的に調査を行い侵害状況を発表するという、際物の法律だそうです。戦前の治安維持法が、国民からの密告によって非国民を捜して、日本は何も言えない国になり軍国主義が台頭してきましたが、それと同じような状況成ることが心配されます。
しかし、当然のことですが差別が許されることはありません。(人権擁護法案で問題になっているのは、差別の問題です。)…では、今現在どのような差別があって、どのようにすれば対処できるのでしょうか。考えてみました。

ちなみに差別が発生する要件は次のような感じ

  • 差別されるのに正当な理由がない
    • 正当な理由がある場合には差別ではない。差別する側は正当な利用だと考えていることに留意。
  • 差別を正当化し煽る人がいること
  • 差別を行う人が少なからずいること
  • (民主主義国においては)被差別者の数が少ないこと
  • 被差別者が社会的弱者であること

例えば成熟していない社会では、個人をランク付けして身分を定めることは合理的な手法であるので差別とは呼びませんが、社会が成熟してくると差別になります。詳しいことが分からない病気や人種、思想宗教についても、差別と区別の違いが分かりにくい場合があります。逆に明白に害がないと分かっていたり熟知したものに対しては差別はおきません。…一部保守的な思考の人が、以前の慣習に則って差別することはありますが…。
というわけで、差別への対処法を考えてみました。

  • 差別に正当性がないことを周知させる
    • 病気の説明や文化の説明を行う
  • 差別を正当化し煽る人を止める
  • 差別を行う人を止める
  • (民主主義国においては)被差別者の数を増やす
  • 被差別者の社会的地位を向上する

被差別者の数を増やすことは現実的ではないと思うので(汗)他の方法…、今度人権擁護法が通ったとすれば、考えられる対処は全てされていますね。ん〜。今時差別も流行りませんけれどね。

  • 少年差別
    • 現在の少年は過度にキレやすく、異常な攻撃性を示すという考えが元になった差別。
    • 少年との接触を極力回避しようとする傾向が世論調査で判明しているほか、マスコミ主導で継続的なバッシング活動が行われている。
      • 実際に少年による犯罪件数や比率が増えているという事実はなく、凶悪化しているという根拠もない(以前から凶悪な事件はあった)。
      • 実体験がないのに差別する人が多いのはテレビの影響?
  • ロリコン差別
    • 幼児・児童に性的嗜好を持つ者は、そのままにしておくと幼児・児童を誘拐し性的暴力をふるい、殺害に至ることさえある、という考えが元になった差別。
    • 即犯罪者であるような冷ややかな目で見ることが一般的である。
      • 通常の性的嗜好とは異なることは事実。
      • 異常な性的嗜好を持った人が異常な行動に出ることは無いとは言えないが、強姦や猥褻事件に関して言えば一般人の方が遙かに多い。
      • ポルノ規制が犯罪を抑止しないという結果があることに注目。
  • ゲーム差別
    • パソコンやビデオゲームを使用することで、脳が変性し思考能力が低下し、社交性が失われキレやすくなるとする考えが元になった差別。
    • パソコンやゲームなどのメディアを排斥し、子どもとの距離をとらせようと訴える。“ゲーム脳”など
      • ビデオゲームを利用することで脳が気質的に変化するかは、研究が始まったばかりで不明。
      • 犯罪を犯している少年にゲーム利用者が多いという統計はない。
      • テレビの影響を考慮していない点に注目。
  • 暴力映画差別
    • 重大事件を起こした少年が暴力描写の多い映画や小説を見ていたことから、暴力描写の多い映像を見ることで、攻撃性がますという考えが元になった差別。
    • 暴力描写のある映画やゲームなどのメディアから子どもを引き離した上に、暴力描写そのものを規制しようとする。
      • 性的・暴力的な映像を子どもに見せるべきではないという倫理観が一般的であるのは事実
      • 暴力描写が攻撃性を増すことはないという研究結果がある
      • テレビの影響を考慮していない点に注目。

自分の価値観・倫理観を絶対的に正しいと考えている傾向が強いように思います。ある意味マスコミに洗脳されている状態、差別している人は思考がそこで停止していると考えるべきでしょう。では、差別の根本要因って何でしょうか、考えてみました。(もちろん、理由はあっても正当なものではありません。)

  • 安全に対する欲求
    • 隔離・排斥・排除が目的になっているのが特徴
    • 病気が感染する、危害を加える等の被害妄想
  • 社会的欲求
    • 隔離を行う場合もあるが、ある程度身近にいる人が対象。
    • 相手の社会的立場を低く見せることで、自分が高等なものだと考える
      • 黒人差別、アパルトヘイトユダヤ人迫害、外人差別、民族差別、(在日)朝鮮人への差別、貴族制度、士農工商ゑた非人、全国各地の部落出身者への差別、男女差別、職業による差別、血液型、身体的特徴
  • 資金・労働力の搾取
    • 排除が行われることはなく、むしろ存続させる方向に動く。
    • 相手の能力を低く見なすことで、自分が賃金や労働力を搾取することの正当性を訴える(王政など。)
      • 黒人差別、外人差別、民族差別、(在日)朝鮮人への差別、貴族制度、士農工商ゑた非人

…差別をする人は被害意識が強かったり大変慎重な人か、自分が他より優れた能力を持っていたいと思う人、または差別を利用して利権を得ている人のいずれかだと…(そうだろうか?)