米AdobeがMacromediaを買収

2005年4月18日、DTPソフトウェア最大手の米Adobe Systemsが、WEBオーサリング最大手のMacromediaを買収すると発表しました。買収金額は約34億ドルだそうです。

ITMediaの記事より
Adobeのブルース・チゼンCEO「顧客は作成、管理、そして優れたコンテンツとアプリケーションを提供する統合されたソフトウェアソリューションを求めており、両社が力を合わせ、強力な開発、オーサリング、コラボレーションソフトウェアを作り出すこと、PDFとFlashの相互補完的な機能とあわせて、Adobeはこのビジョンを現実のものとし、業界のテクノロジープラットフォームをもたらす」
ティーブン・エロップ、ワールドワイドフィールドオペレーション担当社長(Macromediaの社長兼CEO)「MacromediaAdobeはさまざまなデバイス、OSにおいて素晴らしい使い心地を作り上げ、提供してきた」「2社が組んだチームは強力なイノベーションを最新のプラットフォーム上に作り出し、コンテンツとアプリケーションを提供していく」
Adobeデジタルイメージング&ビデオ担当上級副社長、ブライアン・ラムキン氏 「合意の詳細について現時点で説明する準備ができていない。両社をどの程度統合するか決めるため、向こう6カ月でやるべきことが多数ある」「MacromediaFlashに関して非常にうまくやっている」「MacromediaAdobeと同様の戦略と製品を追求している。両社の合併は自然な成り行きだ。両社の技術統合には多大なチャンスがある」「Adobeのミッションは変わっていない。当社はコミュニケーションの向上を支援する意向であり、それはMacromediaの目標でもある。現在Adobeにとってのチャンスは、いかにして顧客により良いソリューションを提供できるかにある」「われわれは別々の2つの会社だが、今後は引き続き緊密に連携していく。当局に承認されるまでは両社とも顧客のために戦略の遂行に努める」
ZDnet Japanの記事より
アドビ「2社の開発ツールやオーサリングツールなどの組み合わせや、PDFとFlashの統合により、業界を定義するプラットフォームが推進できる。これは、リッチコンテンツの提供にあたって、OSやデバイスに依存することのない環境を実現するものだ。この買収でわが社は幅広い顧客ニーズに応えることができ、モバイル分野やエンタープライズ分野などの新たな市場への参入も可能となる」
日本のAdobe広報部「(影響は)現時点では未定だ。買収の完了は2005年11月末を予定しており、それまでに組織面や製品の統合などについて詰めていく」
Adobeのブルース・チゼンCEO「Adobeのミッションは、人と組織がより良いコミュニケーションを行えるように力を貸すことだが、今回の買収はこのミッション遂行能力を強化するものだ。文書や画像、ウェブ、テレビ、あるいは新しい無線機器やその他のデバイスなど、われわれが情報にアクセスするのに使う手段は今後も進化していく」「コミュニケーションの方法を定めるフォーマットや標準は急速に変化しており、情報をつくる立場の人間は、どうすれば情報を効率よく制作/配信/管理できるかという課題に直面している」「今では多くの国の政府機関がPDFの利用を推奨し、PDFを事実上の標準と見なしている。その数を考えただけでも、後発であるMicrosoftが、これらのワークフローをすべて白紙に戻すことができるとはとても思えない」「しかし相手はMicrosoftであり、彼らの売上は400億ドルもある」
ティーブン・エロップ、ワールドワイドフィールドオペレーション担当社長(Macromediaの社長兼CEO)「われわれのプラットフォームを活用したさらに完成度の高いソリューションの開発に重点を置きながら、エンタープライズ分野における大口顧客とやり取りすることで、われわれわれはこれまでMacromediaの業務を拡大することに成功してきた。その結果、わが社は優れたソフトウェアを開発するだけでなく、ますます多くの顧客に対応できる戦略的なベンダーとなった。今日の好調な業績を見れば、この合併を行うことが理にかなっているのは明らかだ」

AdobePhotoshopを初め、IllustratorInDesignなどパブリッシャー向けの業界標準ソフトウェアを作っている会社で、電子書類スタンダードのPDFや映像処理など各種マルチメディア編集ソフト、WEBオーサリングのGoliveなどでも有名です。
対するMacromediaは、マルチメディア形式で広く利用されているFlashの規格を策定した会社で、SWF(Flash)形式のデータを作成するFlashやプロの間で最も広く利用されているWEBオーサリングソフトのDreamweaverで有名です。
Macromediaブランドの製品は当面継続されるということですが、最終的にはAdobeブランドへ移行するそうです。

スクウェア・エニックス以来の驚きです。次はQuarkXpressクォーク社とPainterCorelあたりが欲しいなぁ(おい)でも、プロ用のWEBオーサリングについては、統合されてしまうということで、現在でも必ずしも高いとは言えない完成度が今後どうなるか気になります。

ところで、秋葉原では64bit版Windows XP発売の秒読みが始まっているそうです。メモリーも今が底値で1GB1万円割れだそうで、パソコンを買うにはちょうど良い時期かも知れませんね。64bitのAdobe製品キボン。