郵政民営化本格化

政府が提出した郵政民営化関連法案について、衆院本会議で審議のための特別委員会が設置されました。設置についての採決で、設置に反対している野党では、共産党以外の、民主党社会民主党*1は採決を欠席し、今後開かれる衆院全ての委員会で審議拒否する方針だということです。
これに先立ち、小泉純一郎総理大臣の盟友で、女性スキャンダルで席を失っていたものの先月に返り咲いた山崎拓首相補佐官は、補佐官を辞任して衆院郵政民営化特別委の与党筆頭理事に専念することになりました。報道によれば、法案通過後は補佐官に復帰するようです。

山崎拓氏「特命事項として、郵政民営化関連法案が衆院を通過するまで全力を尽くしてほしい、ということだった」

首相補佐官は、政府側の人間なので、国会法により、立法に立ち入る衆参両院の正副議長や常任委員長を兼任できないことになっていますが、筆頭理事は対象に含まれず、法的には問題ないとされます。民主党などが、次のように批判しているために、予防線を張った形です。

民主党鉢呂吉雄国会対策委員長「行政と立法の混同だ」

また、小泉純一郎首相は20日夜次のように延べ、伝家の宝刀を盾に強硬な姿勢を崩していません。

小泉純一郎内閣総理大臣「最終的には選挙で判断すればいい。任期の中で実績を判断し、しかるべき時に選挙で審判を受ける。多数を得たものが政権を取る」

また、衆院特別委員会の委員長には、自由民主党総務局長の二階俊博運輸大臣*2が決まっています。

二階俊博運輸大臣「執行部の命令だからお引き受けした。円滑な運営ができるよう、一層努力しなければならない」
小泉純一郎総理大臣「党運営や国会運営で苦労しているし、難しさはよく知っている。しかもこの法案がいかに重要かも分かっている」「腹の据わっている人がぐらぐらしないで、成立に全力を挙げてくれる」

全国地方銀行協会の会長は定例の記者会見で次のように述べています。

瀬谷地銀協会長「法案内容を見ると、地銀業界が考えている規模の縮小がうたわれていない。さらに、公正な競争条件というのが分かりにくい。民間金融機関とのイコールフッティングがうかがわれない。これでは、実質的に民営化により郵貯が肥大化するおそれがあり、民業圧迫になる可能性がある」

自民党内では依然反対意見がくすぶっており、いわゆる党議拘束*3についての議論も活発です。また、国会での法案の修正についても、行うとする意見や行わないとする意見がぶつかっております。

*1:社民党

*2:現・国土交通省。2001年に運輸省建設省国土庁北海道開発庁が統合された

*3:党の所属する議員が党の決定に従って投票する義務