『ジュラシックコード〜人類700万年・封印された脳内恐竜の謎〜』

ジュラ紀に起こった脳進化の大失敗!▽人間の脳だけが獲得した偉大なる発明とは?▽ジュラシックコードの反乱…ルネッサンスはは虫類脳の解放だったほか

面白いテレビ番組がなかったので、チャンネルを変えつつ見てみたのですが、なかなかのトンデモモノでした。最近でしたら、日テレ系の新モナリザ発見級。アポロが月に行っていなかったとか、そんな感じです。
番組をじっくり見ていなかったので勘違いがあるかも知れませんが、この番組では、大脳辺縁系(古皮質・中古皮質と新皮質の移行する部分の総称)を「爬虫類脳」と呼称。これはどういうことかというと、人間の脳は進化の過程で発達してきた部位をそれぞれ受け継いだ構造になっており、大脳旧皮質は魚類に進化した際に、大脳古皮質は両生類に進化した際に発生したものが、継承されているわけですが、大脳辺縁系に該当する部分が発生したのが「ジュラ紀の恐竜の時代だ」と主張された模様で、大脳辺縁系が発する各種欲求を「ジュラシックコード」と称している様でした。
ご存知の通り、恐竜は人間の直系の祖先ではなく、恐竜の時代には既に人間の直系の祖先にあたる哺乳類が別に存在しておりまして、「人間の脳には恐竜が住んでいる。」はずがありません、飛躍しすぎ。
と、つっこむ間もなく話は人間の歴史へ。お話は単純で、『爬虫類脳(大脳辺縁系)』の発する『ジュラシックコード(欲求)』が世の中を悪くしたと主張。例として戦争などをあげておられました。そして、優れた芸術や科学技術の発達を挙げて、「人間の新しい脳の力」だと主張されておりました。
身勝手な禁欲主義の番組に見えました。
キヤノンのサイトを見てみると、『「脳幹」は言わば本能が支配する「爬虫類時代の脳」』と紹介していました。脳幹は魚類以前からの脊椎動物全てに見られるものであり、「爬虫類時代の脳」という表現は著しく不適当だと思います。