“活性酸素”老化とは関係なし

細胞を傷つけて老化を促進するとされている「活性酸素」ですが、マウスを使った実験で老化とは関係ないという結果でたとアメリカの科学雑誌「サイエンス」で発表されました。この研究は、東京大学食品工学研究室の染谷慎一特任教員らと米ウィスコンシン大、フロリダ大のチームがまとめたものです。
赤ワインブームを引き起こしたポリフェノールをはじめ、マイナスイオンアルカリイオン水など、活性酸素除去を根拠に健康増進効果を謳う製品が大量にありますが、有用性に疑問があります。
今回の研究で、ミトコンドリアのDNAが損傷することで細胞死(アポトーシス)が起こり、細胞が減ることで臓器の機能が低下し、老化の原因になるということがわかったということです。ミトコンドリアのDNAが損傷する過程で、活性酸素の量や酸化ストレスを与えた場合でも、ミトコンドリアの細胞死の量には変化がなかったということで、ミトコンドリアのDNAを傷つけない方法や修復する方法の発見が、加齢性疾患の予防に役立つと期待されます。