ハッサン・ムサンナ州知事、自衛隊式典に出席拒否

イラク南部のムサンナ州の知事であるハッサン(ハッサーニ)州知事は17日、イラク南部で活動する日本の陸上自衛隊の宿営地で行われた給水車4台の引き渡しなどの式典に出席する予定でしたが、護衛の人が持っている武器を自衛隊が回収しようとしたところ「無礼だ」として、出席を拒否したということです。日本の陸上自衛隊に、失望したとか期待はずれだとか、いつも厳しいハッサン州知事ですが、今回も陸上自衛隊の人はつれない対応を受けた模様です。
さて、イラク情勢ですが、昨日もイラク移行国民議会の憲法起草委員会のスンニ派メンバー3人が銃撃を受け殺害されるなど、テロが相次いでいます。ロンドンの列車同時爆破テロですが、容疑者が監視カメラに撮影された4人の男だと断定され、さらに数名が容疑者として各国に協力を求めて捜査が続けられています。容疑者とされたのはイギリス国籍を持つ若者で、過激な思想の影響を受けて犯行に至ったとされています。また、逃げる時間があったと思っていた可能性が高いとされ、自爆テロのつもりではなかったが口封じに殺害されたとする見方が出ています。他にも一時、イギリス政府(ロンドン警視庁?)お墨付きの犯人だとして実名と顔写真が全国に配信された科学者が英政府当局者同席の上で聴取を受けて、誤認であったことが判明するなど、混乱の様相も出ています。
また、ロンドンでの同時多発テロアルカイダの関与が指摘されるにつれ、イギリスのブレア首相に対する風当たりが冷たくなってきています。イギリスの有力なシンクタンクで政府にも影響のある王立国際問題研究所では、次のように指摘し、イラク参戦がテロ招いたとしています。

「“予防”と“追及”を遂行する上で、英政府が米国と肩を組んでテロ対策を取ってきたことが主要な問題となってきた。英国は、政策意思決定の対等なパートナーではなく、米国にハンドルを握られている助手席の乗客であった」「イラクの状況が、米英に困難をもたらしたことは疑いない。アルカイダの宣伝、兵募集、資金集めを後押しした」「強力な同盟国(の運転する車)に同乗することは、兵士の命、軍事費、反テロキャンペーンへのダメージなどに関して犠牲の多いものとなった」

イギリスの新聞「ガーディアン」がICMという会社に委託して行った世論調査では、イギリス国民の6割以上が今回のテロがイラク戦争参戦と関係していると考えているという結果が出ています。
そんな中、イギリス政府は自爆テロを称賛する発言をした者やテロリストのウェブサイトを閲覧した者も処罰の対象とする新しい反テロ法案が年内にも成立する見通しです。