テレビゲームを有害図書に指定した神奈川県の知事のブログ

有害図書を指定すること自体には特に反対はしませんが、テレビゲームに対する考え方が即物的というか、ゲームが犯罪を誘発する根拠がないことを自分で認めた上で問題提起に過ぎないと結論づけると…。それは、ちょっと違うかなと思うのでした。

では規制の根拠は何かと言えば、「感受性の鋭い青少年が、大人よりも社会環境の影響を受けやすいことは社会の共通認識」ということであり、記者会見では規制対象のゲームを「悪」と表現しています。
倫理的な側面から見て、残虐な描写や性的な描写などが公然と大衆の元に晒されるのは良い状態ではないと思いますが、…脳神経学や心理学を持ち出すのなら、もっとキチンと勉強してからにして欲しいと思います。
心理学的には現実味のある不条理なゲームや作品を続けてプレイ・観賞した場合、攻撃性が低くなるという結果が出ています。逆に、「悪を倒す」などの正当性を持ち、攻撃の動機付けがされている作品をプレイ・観賞した場合、攻撃性が高くなるという調査結果が出ており、これは倫理的に悪影響を与えると考えられているモノと実際に問題を与えるモノは違うということを示しています。知事は倫理的側面を強調し、唯一の後ろ盾としているわけで、それが悪いとは言いませんが、「加害少年が今回指定したゲームソフトの愛好者であったという報道もあります。」など、言い訳がましいことも書かれていて、その点が気になりました。
繰り返しになりますが、残虐な描写が大衆に晒される状態が好ましいとは思いませんので、規制自体に反対はしません。ただ、ゲームが与える影響についてイメージが先行してる様に見えて、実態を反映していないように思われるのが気がかりです。例えば「完全自殺マニュアル」各地で有害図書に指定されていますが、読んでみましたが内容的に問題がある部分があるようには思えませんでした。逆にテレビなどで時々流れる洋画や衝撃映像・オカルト番組、こちらの方がよほど気分が悪くなりますので、規制してもらいたい気分。結局は、その時々の雰囲気で物事が決定しているようで嫌です。
…松沢しげふみ知事の、(この世代の人にとっては恐らく最新技術である)ブログを利用し、ご自身の意見を率直に発信している態度は他の知事や政治家さんも見習うべきだと思います。折角、市民との双方向のチャンネルができたのですから、これからも活用してもらいたいですね(^^)期待しています。