建築物の耐震強度偽装事件、国会で証人喚問実施

本日朝9時30分から、現在分かっている段階で70件以上のマンションやホテルの耐震強度等に関する書類「構造計算書」が偽装されていた事件で、衆議院国土交通委員会で証人喚問が行われています。
本日、証人喚問に呼ばれているのは、取引先から圧力を受けて耐震強度に関する書類を偽装したとされる元一級建築士姉歯秀次氏、関連物件に多く関わっているコンサルタント会社「総合経営研究所(総研)」の内河健所長、実際に施行を行い現在は既に倒産している熊本県の建築会社「木村建設」の木村盛好社長と、姉歯氏にリベートを要求するなどした木村建設元東京支店長の篠塚明氏です。実際に書類を偽造した姉歯秀次一級建築士はこれまでに2度、体調不良を理由に国会の参考人質疑を欠席しており、今回が初めての国会での証言となります。また、マンションの販売会社である「ヒューザー」や「シノケン」、国指定の民間確認検査機関「イーホームズ」などの関係者は、今回は出席を求められませんでした。
9時30分からは、地上波全局(NHK教育を除く)とBS2(BSデジタルではワイド)、BS日テレ(ハイビジョン)が中継を放送しています。
今回の事件では、多くのホテルが営業を休止したほか、多数の住人がマンションから退去せざるをえない事態となっており、国や地方自治体が住民を支援するなど対策に乗り出しています。
構造計算書を偽造することにより、建造物の鉄筋の量などを減らすことが可能になり、建築費が安くなると言うことです。現在報道されているところによると、木村建設姉歯氏に鉄筋の量を減らすように求めており、姉歯氏は断ると仕事を失うと思い耐震強度が法律で定められた値を下回るような設計でも下回っていないとする偽造書類を作ったということです。この書類は国が指定した確認検査機関や各自治体で検査されることになっていますが、いずれも偽装を見逃していました。また、図面を見ても明らかに強度が不足していると分かるような内容だったと言うことで、建築現場でも疑問の声があったようですが、特殊な工法だということで納得していたらしいです。
ところで、今回の証人喚問では自民党の質問が下手くそで、「私はこう思う…」と長々と話しを始めたり、「あなたのは嘘だと私は思う!(根拠無し)」と持論を話し始めたりで、証人の数倍の時間話し続けました。民主党の議員が関係先から資料を探して証人の発言のおかしな部分をついたり、問題の核心に切り込んだのに対しあまりにヒドイありさまだったので、自民党武部幹事長ニッポン放送のラジオ番組で次のように語りました。

「私もまったく同感。ほんとに申し訳なかったと思っている」「問題を解明するために相手から聞き出さないといけなかった。本当に申し訳ない」