テレビゲームと暴力の調査

NHKの報道によりますと、元女子少年院・法務教官魚住絹代(うおずみきぬよ)さんが、東京と大阪と長崎の合わせて2,000人余りの中学生を対象にテレビゲームと暴力の関係などについて調べたと言うことです。回答を2,000とした場合の調査結果は以下の通り。

プレイ時間 人数(2000人の場合) 将来に不安ある者 小動物いじめ経験者
しない 35%(700)
〜1時間 42%(840) 10%(84) 4%(33.6)
2時間 14%(280)
3時間 5%(100) 21%(21)
4時間〜 4%(80) 27%(21.6) 15%(12)
  • 暴力シーンを見た時の感想「とてもわくわくする」(選択式?)
    • ゲームをする時間が増えるに従って多くなる
  • けんかをした時の対応(選択式)
    • ゲームをしない生徒の大半
      • 「話し合う」か「人に相談する」
    • 4時間以上の場合には多くの生徒
      • 「我慢する」か「相手をやっつける」

魚住絹代さん「子どもの心は、人とのつながりや実体験によって育つものだが、ゲームによってそれが侵害されていることがうかがえる。暴力や攻撃性など、相次ぐ凶悪事件との関連もみられ、子どもの心の発育のためにどうすべきか、大人や社会が考えていく必要がある」

数字が公表されなかった部分の値によって、統計的な意味合いが全く異なってくるので、この報道だけでは少年院教官のお戯れ、で終わってしまいますね。国民は、そんなことは知らなくて良い、テレビゲームは凶悪事件の温床なのだと、そう言いたいのでしょうか?
まず第一に、ゲームの影響を知るためには、ゲームをした人と、しなかった人のデータを比べるべきです。次に、3時間したひとと4時間利用した人でデータに大差が出るとは思えませんから、データに大差が出た場合には誤差と見るべきでしょう。また、仮に誤差でないとすれば、ゲームをすることではなく、「長時間ゲームをすること」に問題があることになります。ここら辺を詳しく精査して、報道してもらわないと、こんな中途半端な報道をされては、『大人や社会が考えていく』ことなど不可能です。