大日本印刷、液晶モニタ用5色フィルター開発

ITmediaの記事によりますと、大日本印刷DNP)が2006年6月2日に「今秋から液晶用の5色フィルターの量産を開始する」と発表したそうです。
液晶ディスプレイを初めとする従来のモニタでは、レッド・グリーン・ブルー(RGB)という色の3原色を利用して全ての色を表現しています。ブラウン管(CRT)やプラズマディスプレイでは直接発光体が発光するために色の再現性が高いのですが、液晶ディスプレイはバックライトの光を3色のフィルターに通過させて色を表現しているために、他のディスプレイに比べ色の再現性が悪いという欠点がありました。
色数を増やして色の再現性を高める技術は家庭用プリンタで利用されており、ここ数年は印刷でも利用が進んでいます。また、写真でもフィルムの感光体の色数を増やした製品が出ています。
記事によると、従来の3色フィルターではNTSC比で72%の色再現性しかありませんが、5色フィルターではNTSC比100%に高められる上、輝度も約35%向上するということだということです。
今まで、NTSC比100%近い値を出す液晶ディスプレイはバックライトにLEDを利用した60万円程度のディスプレイに限られていました。価格がどれ程になるのか期待です。

ASCII24でも、今回の発表の記事を見つけました♪量産されるのは5色のフィルタだということですが、画面の見本も色域のグラフも4色なのは何でだろう?まぁ…いいや。2007年度で100億円以上の売り上げを目指すそうです。1枚当たりの単価が100億円だった場合に1枚売れる計算です。単価が1万円だったら100万枚…、単価が10万円だったら10万枚…ヒットした場合には、恐らくこの中間ぐらいになるでしょうから、単価5万円ぐらいでしょうか?
…ところで記事中に「最適なバックライトと組み合わせることで」とあるんですが、まさかLEDと組み合わせるとか、そういうことじゃないですよね?DNP側のプレスリリースがネットで出てないので詳細が分からない…。

あと、液晶ディスプレイ向けカラーフィルタのDNPのシェアが知りたいものです。
日経にプレスリリースが載ってた。2006年6月6〜8日にアメリカ・サンフランシスコで開催される「SID*12006」のGenoa Color Technologies Ltd.ブースで4色カラーフィルターを搭載した32インチ液晶ディスプレイが展示されると言うことです。誰か見てきてください(無理だろう。

ブログを読んで回っていると、画素の大きさが従来の1.33〜1.66倍になるから解像度が低くなるのではないかという意見や、ClearType*2が正常に表示されないのではないかという意見がありました。
あと、ビデオカードからはRGBの信号が出力されているのに、どの段階でRGBYCに変換するのかとか、結局バックライトはどうなのだという意見も。う〜ん。

*1:Society for Information Display

*2:Microsoftが開発したアンチエイリアシング処理技術。従来の画素単位の処理を発展させRGB各色の濃度を調整することにより、一層滑らかに表示することができる