自由民主党の新総裁に、安倍晋三内閣官房長官
2006年9月20日、日本の政権与党である自由民主党(自民党)の総裁選挙が行われ、当初から圧倒的な支持を得ていた安倍晋三内閣官房長官が新しい自民党総裁に決まりました。安倍晋三官房長官は51歳で、自民党総裁としては最年少記録です。今後、2006年9月25日に自民党の役員人事の発表、26日に臨時国会が召集され新総裁に指名される予定です。得票数は次の通りです。※党所属国会議員403人が各1票、党員票が都道府県毎に割り振られて300票の、計703票です。
安倍晋三内閣官房長官は、父・安倍晋太郎衆議院議員の秘書を経て1993年7月に衆議院議員に当選しました。安倍晋太郎衆議院議員は、自民党の幹事長や政調会長のほか、内閣官房長官・外務大臣・通産大臣・農林大臣などを歴任、総理総裁に就任するのを前に病に倒れて1991年5月15日に死去しました。父の後を継いで議員になった安倍晋三議員は対北朝鮮問題で強硬路線を主張したことが小泉総理大臣に気に入られ、2003年9月に自民党幹事長に抜擢されました。2005年10月には内閣官房長官に就任。当時高い支持率を得ていた小泉総理大臣からも支持され、今回ポスト小泉として新総裁に就任しました。
今回の総裁選挙で安倍晋三内閣官房長官は、次のように主張しています。(「Yahoo!みんなの政治」に掲載されている内容を要約しました)北朝鮮の問題を前面に打ち出しているのが特徴的ですが、具体的内容に乏しいです。ちなみに「再チャレンジ」を連呼しているのは「再チャレンジ支援議員連盟」が安倍さんを応援していたからです。
麻生太郎外務大臣は、討論会などでは安倍さん寄りの発言が目立ちました。漫画などにも造形があり、発言が面白いところから秋葉原や2chなどでも人気だとか。個人的に公共事業で情報通信の分野の地域格差を是正してくれるというのは嬉しいことです。(鹿児島県内では、未だにISDNしか利用できない地域が大半で、実に25%の世帯はブロードバンドが利用できないという潸々たる状況です。)公共事業を増やせとは言いませんが、基本的なインフラだけはどうにかして欲しいものです。
谷垣禎一財務大臣は「絆」をキャッチコピーに、消費税の引き上げを主張していました。中国・韓国とはもっとも融和的な主張をしていたように思います。安倍・麻生両氏とは一線を画していました。
項目/候補者 | 安倍 | 麻生 | 谷垣 |
アジア外交 | 【中国】政治と経済を分ける「政経分離の原則」の徹底を【韓国】価値観が同じなので楽観視【北朝鮮】拉致問題・ミサイル・核の問題の解決を | 中国:「日中共益」を実現すべき | 首脳会談ができないのは異常。ホットラインを構築を。 |
靖国参拝問題 | 問題になるのであれば、参拝の事実を公表しない。 | 靖国神社を国営に。 | 参拝しない。A級戦犯分祀。 |
格差社会 | 負け組を固定化しないよう、チャレンジのチャンスを作る。 | 格差是正のため情報通信などの公共事業を。 | 改革は続けるが、弱肉強食ではいけない。 |
消費税・財政再建 | 歳出削減を行い、消費税は国民と共に議論。 | 消費税の導入時期は見極めが必要。 | 10%にする。 |
年金・社会保障 | セーフティーネットをきっちり整備。 | 高齢者に働いてもらい、社会保障の軽減。 | 消費税で財源確保。児童手当の拡充。 |
憲法改正 | 集団的自衛権を行使できるようにする。 | 憲法改正は国民の共通認識になりつつある。 | 集団的自衛権の行使は認めるべき。 |
WEBサイト | http://tokyo.s-abe.or.jp/ | http://www.aso-taro.jp/ | http://www.tanigaki-s.net/ |