フィリピン渡航の日本人が狂犬病発症、36年ぶり

本日2006年11月16日厚生労働省は、フィリピンで犬に噛まれた60歳代の日本人男性が狂犬病を発症した発表したということです。1970年にはネパールで、同じように日本人旅行者が犬に噛まれ、帰国後に狂犬病を発症・死亡しており、狂犬病の発症は実に36年ぶりです。
厚生労働省の発表
フィリピンからの帰国後に狂犬病を発症した患者(輸入感染症例)について
狂犬病は「狂犬病ウイルス」に感染した生き物(犬や狐、猫、コウモリ等)に噛まれることで感染する病気です。ワクチンの接種で防止できるほか、感染後すぐに抗ウイルス抗体を投与することで発症が抑えられます。また、狂犬病に感染した動物に噛まれた場合には、噛まれた直後に石鹸や消毒薬、エタノールで傷口をよく消毒することでウイルスの量がかなり減るということです。動物に噛まれた場合には必ず傷口の消毒を行いましょう。*1
仮に発症してしまうと、まず助からない恐ろしい病気です。ウイルスに神経を冒されるので、精神錯乱などの神経症状が見られ、最後には呼吸障害で亡くなります。
日本では狂犬病は撲滅していますが、撲滅しているのは日本やオーストラリア、一部の北欧ぐらいで、海外では欧米を含むほぼ全ての地域で流行が続いており、毎年3万〜5万人の死者を出しています。
日本では狂犬病予防法により、飼い犬には狂犬病ワクチンの接種が義務化されているため、1956年以降日本国内で狂犬病が発生した例は確認されていません。
【追記】2006年11月17日、京都市狂犬病が発症した男性が、2006年11月17日の未明に亡くなったと発表しました。
厚生労働省発表の資料
フィリピンからの帰国後に狂犬病を発症した患者(輸入感染症例)について(続報)

*1:裂傷がひどく縫合が必要な場合でも、とりあえず15分は洗うように求めている国もあるそうです。