「発掘！あるある大辞典II」で内容を捏造し放送
2007年1月20日（土）、関西テレビは大阪市内のホテルでが開いた記者会見で、関西テレビが制作しフジテレビ系列で1月7日（日）午後9時〜9時54分に放送された人気情報バラエティー番組「発掘！あるある大事典Ⅱ」の第140回「食べてヤセる！！！食材Xの新事実」にて、事実と異なる内容を複数放送していたと発表しました。番組の内容は「納豆を摂取することで血中DHEA濃度が高くなり減量に繋がる」というもので、放送直後から数日にわたって各地の小売店で陳列棚から納豆が姿を消すさわぎとなり、一部納豆業者は新聞にお詫び広告を掲載するなど大きなさわぎとなっていました。
翌2007年1月21日（日）には、午後9時からの「発掘！あるある大辞典2」の放送は急遽中止され、関西テレビのアナウンサーが5分間の謝罪と捏造内容を説明するVTRを放送、通常は午後10時から放送されている生放送の報道番組「スタ☆メン」を55分繰り下げて放送しました。「発掘！あるある大辞典2」は化粧品会社の花王が1社で提供していた番組で、契約上他社のCMが放送できないことから、公共広告と番組宣伝のみが流れていました。2007年1月22日、花王は報道各社に対し同番組のスポンサーを降りることを明らかにし、打ち切りがほぼ確実な情勢です。花王は1979年10月にスタートした「花王名人劇場」以来、27年間単独スポンサーを続けており、1996年に「発掘！あるある大辞典」の放送が開始された当初からのスポンサーでした。
幹部「これまで、いい番組をつくることを望んでいた」（産経新聞）
広報部「広告主として信頼性のある番組を要望していただけに、今回の問題は遺憾」（日本経済新聞）
「日頃から広告主として信頼性のある番組であることを要望していたが、捏造によって今回の事態を招いた。番組を続行するかどうかはテレビ局側が考えること」（朝日新聞）
発表された模造内容は下記の通りです。
- 減量前の写真と、減量後の写真が同一人物ではない×3回
- テンプル大学アーサー・ショーツ教授が話していないことを、さも話したかのようにテロップで表示した。
- コレステロール値、中性脂肪値、血糖値を測定していなかったのに、測定したかのように放送した。
- 「中性脂肪値が高くてお悩みだった2人は、完全な正常値に！」
- 納豆を朝2パックまとめて食べた場合と、朝晩1パックずつに分けて食べた場合の比較実験は完全な模造。
- 以下のシーンで放送した血中DHEAの量は架空のもの。
- 「体内で作られるDHEAは20代をピークに減少、食べ過ぎや運動不足によってDHEAの量が低下している可能性があるのだとか！20代から50代の男女8人の血中DHEA量を測定。さて結果は？」
- アメリカのダイエット研究の紹介部分について、ワシントン大学のデニス教授の研究を、あたかもテンプル大学のアーサー・ショーツ教授が行ったように放送。
- 「DHEA分泌は加齢とともに低下する」というグラフを許可を得ずに書籍から無断で拝借。
番組を制作した「日本テレワーク」は、視聴者参加型の朝のバラエティー番組『こたえてちょーだい』や参加者と司会者が1対1で向き合う形の4択クイズ番組『クイズ＄ミリオネア』、視聴者投稿型の面白情報紹介番組『トリビアの泉』や料理人対決番組『料理の鉄人』など高視聴率の番組を多数制作していますが、2005年1月25日に放送されたテレビ東京系の情報番組『教えて！ウルトラ実験隊』にて、花粉症に関連する実験を行っていないのに、さも行ったように放送したことが明るみに出て番組が打ちきりになるなど以前にも問題を起こしています。現在、日本テレワークのWEBサイトには、お詫び文が掲載され内容を見ることができません。
以下は「発掘！あるある大事典Ⅱ」公式サイトのURLです。
ちなみにオリコンが配信した記事によると、問題となった放送の視聴率は14.5％、謝罪放送の視聴率は続いて放送された「スタ☆メン」と合わせて9.7％（いずれもビデオリサーチ社調べ）だったということです。
なお、関西テレビでは被験者は実際に体重が減っており、学説に基づいて放送したもので、減量効果はあるとしています。原油の高騰でパックなどの製造費がかさみ利益率が減っているところに、内閣府食品安全委員会が健康食品などから接種する大豆イソフラボンの上限の目安を発表するなど、苦境が続いていた納豆業界に追い打ちをかけた今回の騒ぎ、さぞや迷惑だったことでしょう。
ところで、“はてなダイアリーキーワード”にて「納豆」を見ていたら『「はてなダイアリーキーワード」を含むキーワード 』の欄に『勇者特急マイトガイン』があった。放送リストの中に「８話 納豆に手を出すな!」というタイトルが含まれていた模様。ネタバレになるので詳細は書きませんが、そういえばえらく納豆が沢山出てくるお話がありましたね…。
