政府の教育再生会議、提言案を公開中止
2007年5月11日に安倍晋三首相も出席して首相官邸で開かれた政府の教育再生会議の合同分科会において、発表される予定だった「『親学』に関する緊急提言」は、政府や与党内の反発や批判を受けて、発表が当面延期されました。
前日10日の新聞には、発表される予定だった提言の内容が掲載されていました。内容は以下の通りです。
- 山谷えり子首相補佐官(教育再生担当)が主導
- 一部の有識者委員が山谷えり子首相補佐官と共に作成
- 要旨
- 赤ちゃんの対し子守歌を歌え
- 母乳を与えよ(母乳が出なくても与える)
- 赤ちゃんの瞳を覗き抱きしめよ
- 授乳中・食事中にはテレビを消せ
- 乳幼児と歌え
- 乳幼児に本を読み聞かせよ
- 小学生とは日々の出来事について語れ
- インターネットや携帯電話は世界中の悪と直接繋がる
- 子どもの発達段階に応じ徳目を教えよ
- 最初は「挨拶する」「嘘をつかない」
- 次は「卑怯なことをしない」「恥ずかしいことはしない」
- 日本の美しい言葉、心
- 「もったいない」
- 「ありがとう」
- 「いただきます」
- 「おかげさまで」
- 子どもを沢山誉めよ
- PTAには父親も参加せよ
- 保護者も教科書に目を通せ
発表が延期された理由について新聞では、参議院選挙を前に、「人を見下した訓示」(伊吹文明文部科学大臣)や「裏付けのない内容」(政府筋)を発表することは得策では無いという意見が政府・与党内に広がったためだとしてます。
教育の話題になるとよく出てくる「教育勅語」でも、ここまで事細かな指示はないです。そもそも子どもと親のふれあいの時間が減っているのは政府の無策が原因であって*1、世の中の多くの保護者はより多くの時間を子どもと過ごしたいと思っているでしょうに、こんな馬鹿げたことがあるでしょうか。
*1:むしろ働く時間を長引かせようと努力していませんか?