アメリカ軍、空中レーザー発射機を公開

NHKが2007年6月22日に報じたところによりますと、アメリカ軍は現地時間の2007年6月21日に首都ワシントン郊外のアンドリュース空軍基地で、改造したボーイング747型機からレーザー光線を発射し弾道ミサイルを破壊する「空中レーザー発射機」を公開したと言うことです。レーザーの発射機は機種に付けられており、2009年にも本格的な実験を行いたいとしています。
高出力のレーザー光線を発射するためには大がかりな装置が必要なうえ、大気中では減衰して威力に限度があるため、恐らく実戦配備されているものはないと思います。開発中の物としては、恐らく今回公開されたアメリカ軍の「AL-1」や、アメリカとイスラエルが共同開発している「THEL」などが挙げられます。いずれも近・中距離で、ミサイルや砲弾を迎撃したり、機能不全にすることを目的としています。「AL-1」では打ち上げ後、加速する前の弾道ミサイルに対し、表面を熱することで機能不全に陥らせようという方法をとっています。
アメリカ議会で多数を占める野党・民主党*1は、レーザー技術が確立されておらず必要性にも疑問があるとして、予算の削減を検討していますが、アメリカ軍が公開した背景には理解を得る目的があったものと見られます。また、アメリカ軍の開発責任者は記者団に対し日本との技術協力にも期待を示したと言うことです。

*1:アメリカは大統領制なので日本とは異なり、政権を持つ政党と議会で多数を占める政党は必ずしも一致しない