ヒトの皮膚細胞から万能細胞を作ることに成功

2007年11月20日アメリカの科学雑誌「セル」の電子版に、京都大学物質―細胞統合システム拠点(再生医科学研究所)の山中伸弥教授や高橋和利助教らのグループが、ヒトの成人の皮膚細胞にレトロウイルスを利用して4種類の遺伝子を導入した結果、iPS細胞と呼ばれる万能細胞を作ることに成功したと発表されたそうです。2006年6月22日は、マウスを利用して万能細胞を作ることに成功したと発表していました。同じく20日アメリカの科学雑誌「サイエンス」には、米ウィスコンシン大学のチームが、ヒトの胎児の皮膚細胞に別の種類の遺伝子を導入した結果、同様に万能細胞を作ることに成功したと発表されたそうです。
山中教授らのグループが作った万能細胞では、遺伝子の導入に利用しているウイルスの安全性について問題があるほか、ガンに関係する遺伝子を使用しているために、今回作られた万能細胞を直ちに治療に使用することは難しいようです。