「新たな形態の銀行」の現状

1996年〜2001年の金融ビッグバンで銀行業界が大きく改変され、その後、様々な銀行が新たに設立されました。色々と面白いことになっているようなので、まとめてみました。

  • 新銀行東京
    • 石原慎太郎東京都知事が「資金調達に悩む中小企業を救済する」として、2004年4月1日にBNPパリバ信託銀行を買収、2005年4月1日に開業した銀行です。巷では「石原銀行」とも。東京都が1,000億円を出資し84%の株を保有、資本金は1,188億円。9店舗、10万口座、預金残高4,465億円。
    • 中小企業向け融資が相次いで回収不能となり、2006年6月1日発表の初年度決算で最終赤字209億円。2007年6月1日には547億円の赤字となり、累積赤字は849億円に。その後、ATMの廃止や店舗の統廃合を行うも、2007年11月30日に発表した中間決算では、累積赤字は936億円になった。
    • 石原都知事は次のように発言。「経営破綻してまで慈善事業はできない。仕切り直しが必要」(毎日新聞/2007年11月22日)中小企業支援は難しい情勢に。
  • 日本振興銀行
    • 2004年4月21日、東京青年会議所のメンバーが中心となり開業。普通預金は扱わず、中小企業向けの融資や定期預金を主な業務としている。
    • 2007年3月期決算で黒字。
  • イーバンク銀行
    • インターネット上での決算業務を中心に行う「インターネット銀行」の最大手。2000年1月14日設立。2001年7月23日から営業を開始。融資業務は行わない。店舗数16(実店舗はない)、240万口座、預金残高6,500億円。
    • 設立以来順調に業績を上げ2006年5月12日に発表した決算では黒字化を達成していましたが、アメリカのサブプライムローンや円安、株価下落などの影響を受け運営成績が悪化、2007年11月15日に発表した2007年9月中間決算で52億円の赤字となりました。
    • 決算件数は順調に伸びており、収益・資産総額も伸びています。しかし、今回の運用の失敗による赤字は大きかったようで、ATM手数料の実質値上げ*1などサービスに影響が出る結果になりました。
  • ソニー銀行
    • 一般的なネット銀行とは異なり決算業務ではなく、外貨預金や投資信託の販売を中心に行う。2001年4月2日設立、2001年6月より事業を開始。店舗数1(実店舗は存在しない)、54万口座、預金残高9,000億円。
    • 2005年に黒字化を達成、2007年には外貨預金や投資信託を含めた預かり資産は1兆円を超えました。
  • ジャパンネット銀行
    • 2000年9月19日営業開始。預金残高3,000億円。2007年に黒字化しました。
  • 住信SBIネット銀行
    • 2007年9月24日営業開始。決済、運用、調達の3機能を備えた「ネット銀行初のフルバンク」を目指すらしいです。
  • セブン銀行
  • イオン銀行

*1:無料で使用できる回数が制限された