自衛隊員がタクシー運転手を刺殺「死刑になりたかった」

2008年4月22日午前2時50分頃、鹿児島県姶良町脇元でタクシー運転手(58歳)が刺されて死亡しているのが発見されました。約1時間後の午前3時40分頃、東京都練馬区にある陸上自衛隊練馬駐屯地所属の1等陸士(19歳)から警察に犯行を認める通報があり、現場から約1km離れた重富交番にいた1等陸士が緊急逮捕されました。警察の調べに対し「人を殺したかった、死刑になりたかった」と話していると言うことです。
1等陸士は2007年3月に入隊し、2008年3月19日〜21日までの予定で外出していましたが、行方が分からなくなっており、連隊で捜索していたと言うことです。1等陸士2008年3月23日付で陸自中央即応連隊に異動することになっていました。陸自中央即応連隊(宇都宮市)は海外派遣が行われる際に、先遣隊として送り込まれる精鋭部隊で、2008年3月に発足したばかりです。本人の希望通りの異動だということです。

第1師団・武田正徳師団長(陸将)「特に目立たない平凡な隊員で、失踪直前に変わった様子はなかった」(時事通信/2008年4月22日)
「国民を守るべき立場の自衛官が重大事件を起こし、亡くなられた方や遺族そして国民に深くおわび申し上げたい」
「本人が入隊したときから希望していた部隊への異動で喜んでいたと聞いていた。異動が事件に影響したとは考えにくいと思う」(NHK/2008年4月22日)
陸上自衛隊練馬駐屯地・第1普通科連隊長/工藤天彦1等陸佐「国民の生命財産を守るべき自衛官がこのようなことを起こしたことは遺憾。今後は更に指導徹底し、再発防止に努める」(毎日新聞/2008年4月22日)

防衛大臣記者会見(2008年4月22日9時22分〜9時31分/防衛省のWEBサイトより引用)
Q: 練馬駐屯地の19歳の自衛官が、鹿児島でタクシー運転手を殺害するという事件が発生しました。また事件、不祥事という感が否めませんが、これについてどう大臣は受け止めていらっしゃいますか。
A: 事実関係を正確に把握をしなければいけないということで、今その報告を求めているところです。今ご指摘のように、19歳の一等陸士が、そういう事件を起こしたという一報は受けています。またその当該容疑者たる者が3月の下旬から所在不明であったということも報告は受けております。正確な状況を把握次第、またコメントは出しますが、現時点では、横須賀において米兵によるタクシー運転手の方を殺害したという事件があったが、今聞く範囲においては、類似のような気がしないわけではない。いずれにしても、事実関係をきちんと把握をした上で、被害者の方に対するお詫びはきちんとしなければならないし、原因の把握もきちんとしなければいけないことであり、政府としてこれ以上とりようがない対策・対応をしなければならないということだと思います。いずれにしても、誠に申し訳ないということ以外にありません。ただ、事実関係をきちんと把握しないうちにコメントを詳細に述べることはできません。

大臣コメント(防衛省のWEBサイトより引用)
平成20年4月22日
1 平成20年4月22日(火)午前2時30分頃、鹿児島県姶良(あいら)郡姶良(あいら)町国道沿いで、陸上自衛隊第1普通科連隊(練馬)所属の1等陸士(19歳)が、タクシー運転手 神薗三郎(かみぞのさぶろう)氏(58歳)をナイフで刺殺した容疑で、同日午前4時05分頃、緊急逮捕された。
2 国民の生命、財産を守るべき自衛官がこのような事件を起こしたことは、言語道断であり、ご遺族、国民の皆様にお詫び申し上げたい。
3 本日午後、秋元防衛大臣政務官がご遺族及び関係自治体等に対するお詫びと状況確認のため、第1師団副師団長及び第1普通科連隊長とともに現地(鹿児島県)入りしているところである。
4 今後、引き続き事実関係の把握に努めるとともに、このような事件を二度と起こさないように、さらに服務指導を徹底し、再発防止に万全を期して参りたい。