戦犯について

今、森岡正宏厚生労働政務官が次のように述べて問題になっています。

「中国に気遣いして、A級戦犯がいかにも悪い存在だという処理をされている。A級戦犯BC級戦犯いずれも極東国際軍事裁判*1で決められた。平和、人道に対する罪など、勝手に占領軍がこしらえた一方的な裁判だ。戦争は一つの政治形態で、国際法のルールにのっとったものだ。国会では全会一致で、A級戦犯の遺族に年金をもらっていただいている。国内では罪人ではない。靖国神社A級戦犯が祭られているのが悪いように言うのは、後世に禍根を残す」
「政府の取るべき立場を申し上げた。首相の靖国神社参拝を後押しする発言が、政府見解と違うということはあり得ない」(いずれも読売新聞の記事より)

東京裁判の「結果」については日本も受諾しており、森岡正宏厚生労働政務官の発言は、もちろん政府の見解と異なっており、細田官房長官などは記者会見などで火消しに負われている状況です。
しかし、日本国内でA級戦犯について占領軍が勝手に行った根拠のない裁判だと主張する人が多くいることも事実であり、靖国神社参拝を肯定しA級戦犯分祀を否定する根拠ともなっています。…もっとも、それ以前に神道は宗教ではない、とする立場の人も多いわけですが…
神道というのは、ようは天皇制の根拠のようなもので、特に明治以来盛んだった国家神道は日本を軍国主義に走らせる要因になりました。神社に戦犯を祀るという行為は、諸外国から見れば過去の戦争を美化する行為として認識されることも仕方がないわけです。

というわけで、強い反発を受けている手前、日本側は諸外国に分かりやすく説明する必要があります。日本の取りうる対応を考えてみました。

  • 戦犯を罪人として認める
    • 戦犯を分祀する
    • 靖国神社へ祀ることを止め、新たに慰霊施設を作る
    • 靖国神社に祀ることと、戦犯の罪を否定することは違うと説明する
  • 戦犯を罪人として認めない
    • 現在の主張を続ける
    • 東京裁判について検証し、不合理性を説明する
    • 戦犯とされている人について改めて裁判を行う?
    • 分祀等で幕引きをはかる