スペースシャトル「ディスカバリー」打ち上げ成功

日本時間の26日午後11時39分、アメリカ航空宇宙局NASA)のスペースシャトルの「ディスカバリー(“発見”の意)」がフロリダ州ケープカナベラルのケネディ宇宙センターから打ち上げられました。今回のミッション(STS-114)は次の内容が予定されています。

スペースシャトルの点検技術及び修理技術の検証、交換部品や予備品、食料、衣服などの生活物資の補給、コントロール・モーメント・ジャイロの交換、船外保管プラットフォームの取り付け等(JAXAのWEBサイトより引用)

今回は、コロンビア号が大気圏に再突入した際に耐熱パネルの欠落が原因と見られる空中分解を起こした後の初めての打ち上げで、100台のビデオカメラで機体の様子を検証した上で、問題が生じた際に機体を点検したり修理する技術の有用性を検証することが大きな目的となっています。また、日本では日本人宇宙飛行士の野口聡一さんが搭乗したことでも注目されています。打ち上げ前に燃料タンクのセンサーに異常が見つかり、打ち上げが数日延期されたほか、打ち上げ後、機体の一部が脱落する様子がビデオカメラで撮影されるなど、早速成果が試されています。ちなみに、自力での帰還が不可能となった場合には、同じくNASAスペースシャトルアトランティス」が救援に向かうことになっています。
アメリカのスペースシャトルは2003年2月1日のコロンビア号の事故以来、約2年半打ち上げが中止されていました。NASAスペースシャトルは、1986年1月28日にもチャレンジャー号が打ち上げ時に爆発する事故があり、宇宙開発を2年間取りやめています。スペースシャトルのミッション中にクルーが事故で死亡したのは過去113回の飛行でこの2回となっています。今回のミッションに利用されるディスカバリー1984年8月30日に、コロンビア号、チャレンジャー号に続いて打ち上げられた3機目のスペースシャトルで現存する最も早く打ち上げられたスペースシャトル・オービタです。ハッブル宇宙望遠鏡(HST)をなど、多くの人工衛星を軌道上に設置しているほか、日本人宇宙飛行士の向井千秋さんや若田光一さんも搭乗しています。