右翼団体構成員、広島原爆慰霊碑を破損させる

2005年7月26日午後10時55分頃、右翼団体構成員の27歳の男性が広島市平和記念公園にある原爆慰霊碑の「安らかに眠って下さい 過ちは 繰返しませぬから」と刻まれている石碑の、「過ちは」の部分を重さ約1.3kmの金属製のハンマーと"のみ"2本で、親指大の傷を十数カ所つけました。警察では、防犯ビデオを監視中の警備員の通報により捜査をしていましたが、約15分後の11時10分頃、男性が広島中央署にハンマーとのみを持ちタクシーで出頭してきたことから器物損壊容疑で逮捕したということです。

容疑者「『過ちは』の文言が気に入らなかった。過ちを犯したのは日本の一般市民ではなく、原爆を投下した米国ではないか」
秋葉忠利広島市長「ヒロシマの心や世界の平和を求める人々の心を踏みにじり、原爆死没者の御霊を冒とくする行為で、強い憤りを覚える」

この慰霊碑には、2002年の3月にもペンキがかけられる事件が起きており、監視カメラが設置されていましたが、広島に原爆が投下された8月6日に例年行われている平和式典を前に関係者の間で衝撃が広がっているということです。



気に入らないという気持ちは分からないではありませんが、だからといって慰霊碑を傷つけて眠っている人や遺族の気持ちを痛めつけるようなことをしていいわけがありません…。「過ちは」という部分が気になるのなら、他の人に自分の意見を訴えて変えてもらえばよいだけの話で、ハンマーとのみで壊しにかかるなんていう短絡的な手法をとるなど、言語道断です。
「過ち」を「アメリカが原爆を投下したこと」だとして、「勘違いをしたのだ」とか、容疑者と同じように「過ちを犯したのは日本の一般市民ではない」として、ものに当たるしかなかった容疑者を擁護する意見も聞かれますが…、そういうことではなくて、それ以前の問題だと思います。