アジア首脳会議

ところで、先日までアジア首脳会議に出席していた小泉首相中韓は当然としても、他の諸外国からも冷たくあしらわれて仕舞い、大きな成果もなく帰ってきました。強いて言えば、署名式の時に中国の温家宝首相からペンを借りるパフォーマンスをしたことが報道されたぐらいですか。
以下は、会議後の記者会見の要旨より、日中関係についての記者の質問に小泉首相が答えた内容です。

私はもともと日中友好論者だと表明しているし、自分もそう思っている。日中関係はきわめて重要である。そういう観点から私は一つや二つの意見の違いや相違があっても、また対立があっても、この日中関係をさらに発展させようという考えに全く今も変わりはない。ただ靖国神社参拝について誤解があるのではないかと思う。私が靖国神社を参拝するのは、内閣総理大臣である小泉純一郎が一人の国民として、第二次世界大戦の反省をふまえて二度と戦争を起こしてはならない、同時に、戦場に出なければならなかった方々、そして命を落とした方々、こういう方々に対する哀悼の念、それを表明するために靖国神社を参拝しているのであって、かつての戦争を美化したり、正当化しようという気持ちは全くない。一人の国民が、総理大臣が自分の国の一施設に、戦争を起こしてはいけない、平和への祈り、戦没者に対する哀悼の念を表すこと、これを批判する気持ちが分からない。日本国民も私を批判することに、なぜそうなるか私は未だに理解できない。人間として平和への祈りとか、戦没者に対する哀悼の念というのは、いわゆる心の問題である。精神の自由というか、こういう心の問題であり、お参りする、お祈りする、こういうことを批判することが私は未だに理解できない。私は、日本がここまで発展してきたのは第二次世界大戦の反省をふまえて、平和国家として、経済大国になっても決して軍事大国にはならないと、国民生活を豊かにする、さらにその経済力を多くの困難に喘いでいる国々に手を差し伸べていこうと、日本一国の力で発展できるものではないと。日本の持てる力というものをできるだけ各国と協力しながら、お互い発展していこうという、これが大事だと思っている。だから私はこれからも日中関係、日韓関係を重視していく。どの国でも一つや二つ意見の違いや対立はある。それを乗り越えて協力関係を築いていくのが普通の姿ではないだろうか。

まず、自分で日中友好論者だと表明して、自分でそう思っても、周りの人がそう思うとは限りません。これは大変、重要です。
次に、「戦争を起こしてはいけない、平和への祈り、戦没者に対する哀悼の念を表すこと、これを批判する気持ちが分からない。」とおっしゃっていますが、そうじゃないですよね?批判する人は「かつての戦争を美化したり、正当化しようという気持ちは全くない。」というのが信じられないわけです。「誤解があるのではないかと思う。」とおっしゃっていることから、その事実にはお気づきだと思うのですが、その後に、「戦争を起こしてはいけない、平和への祈り、戦没者に対する哀悼の念を表すこと、これを批判する気持ちが分からない。」なんて言うから、誤解されるんです。批判している人の意見が、脳内で変換されているのですね。
…本当はこう発言するべきだったんです。「(参拝を)かつての戦争を美化したり、正当化しようという気持ちだと誤解されること、これを誤解する気持ちが分からない。」と。そうしたら、自分が理解される為にはどうすればいいか、分かるんではないでしょうか。