読売新聞、記事で自画自賛。

読売新聞は、2006年1月28日付けの「“ホリエモン”持ち上げたメディア、責任問う声も」という記事で次のように自画自賛し、他紙やテレビの報道を批判しました。

社説で「堀江社長の語るメディア観では、放送の将来が心配だ」(05年3月24日)などと警鐘を鳴らし、堀江容疑者の「マネーゲーム」を批判してきた。だが新聞の中には、堀江容疑者を「旧秩序への挑戦者」というイメージで持ち上げる報道もあった。それ以上に、堀江容疑者の人気上昇の原動力となったのはテレビだった。

一方、共同通信は同じく28日付けの「防戦一方いら立つ首相 激しいメディア批判も」という記事で、小泉純一郎首相がメディア批判していることを伝えています。

小泉純一郎首相がライブドア事件、米国産牛肉再禁輸、耐震強度偽装問題の「三点セット」による野党攻勢にいら立ちを募らせ、メディアや世論にまで批判をエスカレートさせている。9月の自民党総裁任期切れで退陣を明言する首相は、当初、国会論戦を小泉改革総仕上げの「行革国会」と位置付けていたが、程遠い序盤戦となり、ペースを狂わされたことが原因のようだ。
自民党が広告塔に仕立て上げたわけじゃない。メディアが盛んに持ち上げた」。首相は26日、ライブドア前社長の堀江貴文容疑者を昨年の衆院選自民党が支援した責任を記者団に問われると、気色ばんだ。24日にも「メディアの持ち上げ方は何だ。みんながもてはやした」と批判を展開したばかりだが、怒りは収まらない。

小泉さんも、マスコミも変わり身早いなぁ…と、感心しているところです。結局の所、事の本質をなおざりにして、その場の勢いでやるからこういうことになるのであり、その点では感情任せに堀江元社長を批判した読売新聞も同じだし、「メディアが持ち上げた」堀江元社長を利用した自民党も同じです。
そもそも、今回の事件は粉飾決算が問題だったわけでマネーゲームが悪いわけでも、堀江社長のやり方(粉飾決算を除く)が悪いわけでもありません。要は、読売新聞の批判は全く的を射ていないわけです。それなのに、自画自賛を堂々と記事にするというのは、どうも解せません。
一方、毎日新聞は発信箱「どのツラ下げて… 山田孝男(編集局)」と題した記事を2006年1月30日付けで出しています。

前日までホリエモンをもてはやしながら、検察次第で怒とうの堀江たたきに走るメディア。むかし軍部追従、いま検察追従で、変わらぬものといえば俗論迎合の卑しさしかないおまえが、どのツラ下げて明日を語り、針路を説くのか。
(中略)
小泉純一郎首相はホリエモン選挙に肩入れした責任を問われて「批判は甘んじて受けるが、メディアはどうなのか」と切り返した。「新聞批判は甘んじて受けるが、テレビ、週刊誌こそ」と言ってしまいがちな私どもと似ている。

毎日新聞、偉い。うん。口だけで終わらせないで欲しいものです。