経済同友会、小泉総理の靖国神社参拝自粛を求める提言

  • 提言の内容
    • 首相の靖国神社参拝取りやめ
    • 戦争犠牲者を慰霊する国立追悼碑の建設
    • 中国政府に対して歴史教育を公平に行うよう要望

小泉首相は「不戦の誓い」と「戦没者に対し哀悼の誠を捧げる*1」を掲げて、首相就任後、靖国神社への参拝をくり返していますが、中国や韓国などは靖国神社軍国主義の象徴とし反発しています。

北城恪太郎代表幹事「日本の実情や参拝の理由への十分な理解を得ていない段階で、参拝をするのは好ましくない。国民感情が対立する中で、安定的な発展はない」

小泉総理大臣「一つの意見でしょう。靖国外交カードにはならない。財界の人から商売のことを考えて『参拝してくれるな』という声もたくさんあったが、『商売と政治は別だ』とはっきりお断りしている」(9日夜・首相官邸で記者団の質問に)
「経済関係も今までになく拡大しており、交流も深まっている。この問題が影響ないように努力していくのが双方にとって大事じゃないか」(10日?記者団の質問に)

安倍官房長官「総理が言っていることがすべて」

谷垣財務大臣「提言を眼光紙背に徹して読んだわけではないが、一つのご主張だと思う」

連立与党・公明党の神崎代表「経済にも悪影響が出始めてきたという危機感で(同友会が)発言されたのだと思う。そういう経済の実態を把握して対応をお願いしたい」(10日・記者会見で)

靖国神社は、もとは討幕派(明治政府軍)と旧幕府軍が戦った「戊辰戦争」で、亡くなった明治政府軍の戦没者を祭る目的で設立された神社です。その後、尊王論による国家神道の台頭と、ファシズムの浸透による軍部の台頭をうけ、靖国神社陸軍省海軍省によって管理される特殊な神社となり、国家神道の象徴となりました。第二次世界大戦中、兵士たちは『靖国で会おう』を合言葉に散っていったと言います。
ちなみに、小泉首相は鹿児島県薩摩半島の知覧にある「知覧特攻平和会館」で特攻に望み亡くなった兵士達の遺物を見て、靖国神社への参拝を行うようになったとされていますが、「知覧特攻平和会館」には何度か足を運びましたが、靖国神社への参拝を促すような展示はされておりません。小泉総理が何を考えて参拝しているかは謎です。
…とまぁ、こんな感じで中国や韓国が反発しているのですが、政治と経済は別の問題であり、基本的には相互に干渉すべきではないと思います。現在のところ、小泉総理の靖国参拝が経済活動に大きな影響を与えているわけではありません。
しかし、この調子で行くと経済に影響がでそうなんですよね。経済同友会の代表幹事も言っているとおり、問題なのは参拝の真意がよく分からない…というか、軍国主義の台頭を危惧させるに十分な内容だと言うことです。そして、これは小泉首相自ら認めているとおり、日本国内からも心配する声は多く挙がっているわけです。
一部の噂では、小泉首相は今年首相を辞めるのにあわせて、終戦の日靖国神社を参拝するかもしれないとのこと。現状の中国・韓国では、終戦記念日の参拝は認められないと思うので、今回の経済同友会の提言も、暗に終戦記念日の参拝をやめるよう求めたものだと思うのですが…さてはて。

政府高官「経済界が追悼施設の建設を言うのは僣越。遺族の慰霊の気持ちを、経済活動で計るのはどうか」

平和靖国議連「(経済同友会提言の)論旨は到底容認できない」

*1:「冥福を祈る」の神道的表現