イラクのフセイン元大統領に死刑判決

2006年12月26日、イラク高等法廷は1982年にイスラムシーア派住民ら148人を虐殺した罪で起訴されていたサダム・フセイン元大統領*1に対し、1審で死刑判決を支持し控訴を棄却すると発表しました。イラク高等法廷は2審制で、今回の棄却で1審の判決が確定しました。イラクの法律では死刑判決が確定してから30日以内に刑を執行することになっていますが、死刑廃止論者のタラバニ大統領が死刑執行に必要な署名を行わない可能性があり、30日以内に刑が執行されるか不透明です。
なお、イラク高等法廷ではフセイン元大統領が1988年にクルド人を18万人を殺害したとされる「アンファル作戦」に関する審理も公判中ですが、死刑が執行された場合、公訴は取り下げられることになります。フセイン元大統領については、化学兵器クルド人を虐殺したとされる「ハラブジャ事件」を起こしたとされていますが、真相が解明されぬまま集結する恐れが出てきました。

*1:全名は「サッダーム・フセイン・アブドゥルマジド・アッ=ティクリーティー